最低限知っておくべき「文字式の表し方のルール」と「なぜ、ルールがあるのか」を、具体例を使ってわかりやすく解説!【中1数学・文字と式②】
この記事では、
- 「文字式の表し方」のルールと、具体例が知りたい!
- なぜ、「文字式の表し方」には、「ルール」があるの?
という方のために、
- 最低限しっておくべき「文字式の表し方」のルールと具体例
- なぜ、「文字式の表し方」には「ルール」があるのか
について、解説していきます!
「文字式の表し方のルール」ですか、、
「xやy」などの、あまりなじみのない文字が出てきたなーと思ったら、
「こう書け!」というふうに、いきなり「書き方のルール」を勉強させられて、とまどいます、、
そうですよね、、
理由もわからず、「書き方のルールを勉強しろ」といきなり言われても、とまどいますよね、、
そこで、この記事では、最低限知っておくべきルールはもちろん、
「なぜ、文字式の書き方にルールがあるのか」という、
皆さんが気になることについても解説していきます!
最低限しっておくべき要点に絞って説明するので、
この記事を読むことで、
「文字式の表し方のルール」の本質を、最速で理解できます!
でもそもそも、なぜ「xやy」などの文字式を使うんでしたっけ?
それについては、前回の記事で、復習しましょう!
それでは、始めていきましょう!
最初に知っておくべき
「文字式の表し方のルール」の重要ポイント
さっそく、「文字式の表し方」のルールをご紹介していきたいのですが、
その前に、ルールをみるうえで、知っておくべき重要なポイントをお話しします!
それは、「文字式の表し方」のルールの裏には、
なるべく記号(×、÷)を省略して、
「かけ算」や「わり算」をシンプルに書きたい!
という、思い(モチベーション)がある点です!
要するに、
「かけ算やわり算を書くときに、なるべく楽をしたい!」という思いから、
「文字式の表し方」のルールが生まれた
ということです!
なるほど、、
でも、そのせいで僕たちは、ルールを覚えなきゃいけないんですね、、
たしかに、覚えるのは大変ですよね、、
でも、一度ルールに慣れてしまえば、
とてもシンプルに、かけ算やわり算を書けるようになります!
つまり、これからご紹介する「ルール」は、皆さんの味方です!
このことを頭にいれたうえで「ルール」をみると、少しはとっつきやすくなるのではないでしょうか。
でも、そもそも、
なぜ、シンプルに、かけ算やわり算を書きたいんでしょうか?
それについては、少し長くなるため、
という節で、解説していきますので、少々お待ちください。
とにかく、まずは、ルールを知り、慣れていくことが重要ですので、
さっそく、次から「文字式の表し方」のルールをご紹介していきます!
「文字式の表し方」のルール
さっそく結論からいうと、「文字式の表し方」のルールは次のように決められています!
- かけ算の記号(×)は、省略する
例. \( 2 \times x = 2x \) - 「数字」と「文字」のかけ算では、「数字」を前につける
例. \( x \times 2 = 2x \) - 「1」のかけ算は、省略する
例. \( 1 \times x = x \) - 「文字」どうしのかけ算は、アルファベット順にならべる
例. \( y \times x = xy \) - おなじ「文字」どうしのかけ算は、指数をつかって表す
例. \( x \times x = x^2 \) - わり算(÷)は、分数をつかって、かけ算(×)に書き直す
例. \( x \div 2 = x \times \frac{1}{2} = \frac{1}{2} x \)
「指数ってなんだっけ?」という方は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください!
なんだか、たくさんルールがありますね、、
たしかに項目は多いかもしれませんね、、
ただ、どのルールにも、先ほどご説明した、
「なるべく記号(×、÷)を省略して、
「かけ算」や「わり算」をシンプルに書きたい!」
という考えが、根底にあることがわかると思います!
残念ながら、このルールは世界的に決められているため、
皆さんは、このルールを覚える必要があります。
そこでまずは、このルールに慣れるため、基本的な例題をみていきましょう!
「文字式の表し方」の例題
- \( y\times 3 \times x \)
- \( (-1)\times x \times y \times x \)
- \( x\times x \times x \div(x) \) (ただし\( x\)はゼロではない)
【例題1】順番はどうなる?
\( y\times 3 \times x \)
例題1は、次のように考えることができます!
例題1で重要な点は、
「数字と文字の順番を、ルールどおりに並べられるか」
ということだけです!
文字と数字では、数字を先頭にもっていき、
文字どうしでは、アルファベット順に並べればいいんですね!
また、かけ算を省略することで、
たしかに数式がスッキリしましたね!
おっしゃる通り、
「文字式の表し方のルール」を守れば、
かけ算をシンプルな形にまとめられることがわかると思います!
【例題2】(-1)と累乗の扱いはどうなる?
\( (-1)\times x \times y \times x \)
例題2は、次のように考えることができます!
例題2は、「(-1)のかけ算や、指数をどう扱うか」という問題です!
(-1)のかけ算に関しては、「負の数のかけ算」の記事で学んだように、
(マイナス)×(プラス)のかけ算の符号は、(マイナス)になる
ことと、今回のルールにある
「1」のかけ算は省略できる
ことを使えば、(-x)という形にまとめることができます!
ここで、重要な点は、
(-1)をかけ算すると、
「かけられたもの」の符号がひっくり返っていること
です!
あ、ほんとうですね!
xの符号は、もともとプラスだったのに、
(-1)をかけ算したら、(-x)となって、正反対の符号になっています!
なぜ、こんなことが起きるんでしょうか?
理由としては、「負の数のかけ算」の記事で学習したように、
マイナスの数にマイナスをかけるとプラスになる一方、
プラスの数にマイナスをかけるとマイナスになるからです!
さらに「1」という数字は省略できるため、
あたかも元の符号をひっくり返したようにみえます!
(-1)をかけると、
「かけられたもの」の符号がひっくり返る
次に、指数の取り扱いについては、「累乗と指数」の記事を見ていただければ大丈夫かと思いますが、
累乗があったとしても、アルファベット順に並べるということは注意です!
【例題3】文字式のわり算はどうなる?
\( (-1)\times x \times y \times x \)
最後に、例題3は次のように考えることができます!
例題3で重要な点は、「文字でわり算したらどうなるのか」という点です!
まずは、文字ではなく、ふつうの「数」のわり算を思い出してみましょう!
ふつうの「数」のわり算の場合、かけ算に書き直すにはどうすればよかったでしょうか?
「わる数」の「分子」と「分母」を入れ替えた分数を使えば、
わり算をかけ算に書き直せます!
そのとおりです!
例えば、÷2は、×1/2 に書き直せるんでしたね。
実は、「文字」でわる場合も、まったく同じです!
例えば、÷xは、×1/x に書き直すことができます!
「文字」でわり算する場合、「数字」でわり算するときと同様に、
「わる数」の「分子」と「分母」を入れ替えた分数(逆数)を使えば、
わり算をかけ算に書き直すことができる!
ただ注意として、文字でわる場合は、文字がゼロでないかのチェックが必要です。
なぜなら、数学では、
「ゼロでわること、例えば1/0というのは、NG」という決まりがあるからです。
このことは、これから先、文字式を使っていくうえでとても重要なので、
ぜひ覚えておきましょう!
数学では、「ゼロ」でわり算するのは、NG!
では、「文字式の表し方のルール」に慣れてきたところで、
最後に「なぜ、文字式の表し方には、ルールがあるのか」
について解説していきます!
なぜ、「文字式の表し方」にはルールがある?
結論から言ってしまうと、
「文字式の表し方」にルールがあることの、最も深い理由は、
「解決すべき複雑な問題」をなるべくシンプルな形にしたいから
です!
この記事の冒頭で、「文字式の表し方のルール」には、
なるべく記号(×、÷)を省略して、
「かけ算」や「わり算」をシンプルに書きたい!
という考えが、根底にあるとお話ししました!
でも、そもそも、
なぜ、かけ算やわり算をシンプルに書きたいんでしょうか?
つまり、まとめると、
「複雑な問題を解決するために、
その問題を数式のかたちで整理することが必要!」
⇒「数式をさらにシンプルにするために、かけ算やわり算を省略しよう!」
という流れになります!
すみません、まだぼやっとしていて、よくわからないです、、
そうですよね、、
前回の記事の「問題」を使って、具体的にみてみましょう!
具体的にどんな問題だったかは、これからの話には関係ありませんが、
気になる方は、以下の記事をご覧ください!
具体例をとおして、理解しよう!
前回の記事の「問題」では、
以下の数式をみたすような□を見つければ、それが答えだという話をしました!
\( 1500+1000\times□=5500 \)
でも、そもそも「数式をみたす」ってどういうことですか?
今回の場合、「数式をみたす」というのは、
イコール(=)の左側と右側の数字がおなじになることをいいます!
イコール(=)というのは、「同じ(等しい)」ことを表す記号なので、
「イコール(=)でつながっている左側と右側が同じでないと困る」
というわけです!
ちなみに、イコール(=)は等号とも呼ばれ、
イコール(=)の左側を左辺、右側を右辺と呼びます!
この言葉は、これから非常によく使うので、覚えておきましょう!
「数式をみたす」というのは、
イコール(=)の左側と右側の数字がおなじになることをいう
ここで、「□」と「x」のどちらも、
「分からないものを、とりあえず文字として置いたもの」という意味では同じものなので、
今回の記事の内容に合わせて、「□」を「x」に置き換えておきましょう!
つまり、
\[ 1500+1000\times x=5500 \]
をみたすようなxを見つければ、それが答えになります!
言い換えると、
イコール(=)の左側(左辺)と右側(右辺)が同じになるような、
xに入る数字をみつければOK!
ということです!
では、実際にそのようなxを見つけてみましょう!
【xを見つける方法1】数字を1つずつ入れていく
xをみつける1番単純な方法は、
数字を1つずつxに入れていき、右辺と左辺が同じかチェックする方法
です!
ここで「文字(x)に、数字をいれること」を代入と呼び、
「代入して計算し、得られた数」を式の値といいます!
「文字に、数字をいれること」を代入と呼び、
「代入して計算し、得られた数」を式の値という
例えば、\( x=1 \)として、xに1を代入してみましょう!
そうすると、左辺は、\( 1500+1000\times 1 =2500 \) (式の値)となります。
一方、右辺は、\( 5500 \)なので、左辺と右辺は同じではないことが分かります。
つまり、\( x=1 \)ではないということです!
このように、「xに1つずつ数字をいれて、左辺と右辺をチェックしていけば、
いつか、数式をみたす数字に出会えるのでは?」というのが1つ目の考え方です!
でも、こんなの時間がかかりすぎませんか?
おっしゃる通りです!
普通は、次でご紹介する「一発でxをみつける方法」を使います!
【xを見つける方法2】一発でみつける
この方法では、次のように考えて、xをみつけていきます!
詳しく解説すると、次のような順番で考えていきます!
ここで重要なのは、\(1000\times x=A\)とおくことで、
\(1000\times x\)を1つの「かたまり」として考えている点です。
\(A=4000\)とすれば、
\(1500 + A=5500\)という数式の左辺と右辺が同じになることがわかります。
STEP2で、\(A=4000\)ということが分かったので、
あとは、「\(1000\times x=4000\)という数式をみたすxを見つければよい」ということが分かります。
\(x=4\)とすれば、\(1000\times x=4000\)の左辺と右辺が同じになるとわかるため、
答えは4だと求められます。
この考え方で重要な点は、
\(1000\times x\)を「1つのかたまり」として考え、\(A\)と置いた点
です!
こうしたことで、\(1500 + 1000\times x=5500\)というもともとの数式を、
\(1500 + A=5500\)というさらにシンプルで、考えやすい形にすることができました!
その結果、「わからないもの」である\(A\)や\(x\)に何の数字が入ればいいかが
分かりやすくなり、問題を解くことができたというわけです。
たしかに、\(1500 + A=5500\)という数式だったら、
\(A\)に何の数字が入りそうか、簡単にわかりますね!
そうですよね!
このように、問題を解くときには、
かけ算している部分を「1つのかたまり」とみなして、
問題を解きやすいようにシンプルにしていくこと
が重要となります!
かけ算している部分を「1つのかたまり」とみなせば、
数式をシンプルにできるため、問題が解きやすくなる!
でも、今回みたいに、
毎回「かたまり」を\(A\)と置くことは、面倒な気がします、、
そうですよね、、
そこで、かけ算記号(×)を省略するなどして、
なるべく、かけ算している部分を「1つのかたまり」のように見せる工夫をします!
それが、この記事でご紹介した「文字式の表し方のルール」というわけです!
以上のことをまとめると、
かけ算している部分を「1つのかたまり」とみなすと、問題が解きやすくなる!
⇒ かけ算記号(×)などを省略して、
「1つのかたまり」として考えられるようにしよう!
という流れになります!
話が長くなってしまいましたが、
「なぜ、文字式の表し方にルールがあるのか」が、なんとなく分かってもらえたら嬉しいです!
まとめ|最低でも覚えてほしいこと
この記事では、
- 最低限しっておくべき「文字式の表し方」のルールと具体例
- なぜ、「文字式の表し方」にルールがあるのか
について解説しました!
まず、「文字式の表し方のルール」は、次の通りでしたね。
- かけ算の記号(×)は、省略する
- 「数字」と「文字」のかけ算では、「数字」を前につける
- 「1」のかけ算は、省略する
- 「文字」どうしのかけ算は、アルファベット順にならべる
- おなじ「文字」どうしのかけ算は、指数をつかって表す
- わり算(÷)は、分数をつかって、かけ算(×)に書き直す
残念ながら「文字式の表し方のルール」は、数学における決まりのようなものなので、
とにかく慣れて、覚えていくしかありません!
しかし、一回慣れてしまうと、手放せなくなるくらい便利なものになってきます!
これからもどんどん使っていきますので、ぜひ、たくさん使って覚えていってください!
次に、「文字式の表し方にルールがある理由」は、
記号(×)などを省略し、かけ算部分を「1つのかたまり」とみなすことで
「解決すべき複雑な問題」を、なるべくシンプルな形にしたいから
でしたね。
これは、「文字式の表し方」を学習するときのモチベーションにもなりますので、ぜひ頭にいれておいてください!
また、この「なぜ、文字式の表し方にルールがあるのか」という節で、
「問題を解く(数式をみたすようなxを求める)」ということをやりましたが、
実は、あの数式は方程式と呼ばれており、
次に学習する「方程式」という分野で、解き方を詳しく勉強していきます!
あれ、でも、今回の「問題」では、もう解けてしましたよね?
おっしゃる通りです!
みなさんは、もうすでに、「方程式」を解いてしまいました!
つまり「方程式」というのは、いっけん難しそうな名前ですが、
中身はそんなに難しくないということです!
ぜひ自信をもって、これから先の分野に進んでいってください!
そういわれると、なんだか自信がついてきました!
最後に質問なのですが、今回は、
数式をシンプルにするために、
かけ算やわり算の部分を、1つのかたまりとしてまとめる
というお話でしたが、
「たし算やひき算をまとめる」ということはできないんでしょうか?
結論から言ってしまうと、「同じ文字をもつ部分」であれば、
たし算やひき算をまとめることができます!
ただ、詳しく説明するためには、
「1次式」や「同類項」といった考え方を知る必要があります!
そこで、次回の記事では、
「1次式」や「同類項のまとめ方」について解説します!
数式だけみると難しいですが、
今回の記事ように、なるべく図解を使って、
直感的に理解できるように説明しますので、ぜひご覧ください!
参考文献
この記事を書くにあたっては、以下の書籍も参考にしています。
学校で習う順序とはまったく違うアプローチで、
「本質をおさえて、中学数学を最速で理解する」ことをコンセプトにした本であるため、
「あまり時間はないけど、中学数学の要点だけ抑えて、学び直したい!」
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正直に言ってしまうと、このブログを見なくても、
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