「正負の数のかけ算(乗法)・わり算(除法)」の2つの計算ルールをわかりやすく解説!【要点のまとめ】【中1数学・正負の数④】
この記事では、
- とにかく、「正負の数のかけ算・わり算」の要点をしりたい!
- 「正負の数のかけ算・わり算」ってどう計算するんだっけ?
という方のために、
最低限知っておくべき
「正負の数のかけ算(乗法)・わり算(除法)」の2つの計算ルール
を、わかりやすく解説していきます!
要点を絞って解説するため、この記事を読むことで、
「正負の数のかけ算・わり算」の計算方法を、最速で理解できます!
もし、「正負の数って、そもそもなんだっけ?」という方がいらしたら、
以下の記事を参考にしてみてください!
また、「正負の数のたし算やひき算のやり方が、ちょっとあやしい、、」という方は、
以下の記事で、すごろくのイメージを使って、
「正負の数のたし算やひき算」を分かりやすく解説しているので、ぜひご覧ください!
それでは、始めていきましょう!
「正負の数のかけ算(乗法)・わり算(除法)」の2つの計算ルール
さっそく、「正負の数のかけ算・わり算」の計算の要点を教えてください!
すみません、要点をご紹介する前に、
まず、最初に頭に入れておくべき重要なポイント
についてお話します!
それは、
わり算は、逆数をつかうことで、
かけ算に書きなおせる
例. \( 2 \div 2 = 2 \times \frac{1}{2} \)
というものです!
すみません、「逆数」ってなんでしたっけ?
逆数というのは、分数の分子と分母をひっくり返したものです!
上の例では、2を分数であらわすと、\( \frac{2}{1} \)となるので、
逆数(分子と分母をひっくり返したもの)は、\( \frac{1}{2} \)となります。
覚えていないかもしれませんが、これは小学校でも習ったと思います。
「分子と分母ってなんだっけ?」という方は、
このページの最後に復習用の記事を書きましたので、そちらを参考にしてみてください!
「わり算は、逆数をつかうことで、かけ算に書きなおせる」
というポイントを使うことで、
かけ算・わり算の計算ルールは、以下のように、シンプルにまとめることができます。
- わり算は、逆数をつかって、
かけ算にかきかえる - かけ算では、
まず符号を無視して(絶対値どうしで)かけ算をおこない、
その答えに、以下のルールを守って、符号をつける
- (プラス)×(プラス)のときは、プラス符号をつける
例. \( (+1)\times(+2) = +2 \) - (プラス)×(マイナス)のときは、マイナス符号をつける
例. \( (+1)\times(-2) = -2 \) - (マイナス)×(マイナス)のときは、プラス符号をつける
例. \( (-1)\times(-2) = +2 \)
- (プラス)×(プラス)のときは、プラス符号をつける
あ、要するに、わり算は、全てかけ算になおして、計算するということですね?
でも、なぜ、わり算を、かけ算にかきかえる必要があるんですか?
「わり算を、かけ算にかきかえる理由」は、
計算をする際に、シンプルに考えたいからです!
わり算を、全てかけ算にかきかえてしまうことで、
「わり算のときは、符号ってどうなるんだっけ?」
ということを悩まずに、
「かけ算の計算ルール」のみを使って、
わり算の答えを求めることができます!
かけ算のルールは、とてもシンプルなため、
実際に問題をとくときも、迷うことなく使いこなせると思います。
一方、わり算の計算の方は、
かけ算にかきかえるステップがあるため、すこし複雑になってきます。
そこで、次の2つの例題をとおして、
「正負の数のわり算の計算」を詳しく見ていきましょう!
ただ、わり算の計算でも、結局は、かけ算の計算になることは覚えておいてください!
- \( (-2) \div (+2) \)
- \( (-2) \div (-\frac{1}{2}) \)
【例題1】正負の数のわり算(マイナスとプラス)
\( (-2) \div (+2) \)
「正負の数」を使ったわり算は、初めてみるため、難しそうに感じるかもしれませんが、
わり算をかけ算にかきかえれば、次のように、とても簡単に計算できます!
例題1を計算する手順は、次のようになります!
「わり算」を「かけ算」にかきかえる
例題1の場合、「わる数」である\( 2 \)の逆数は、\( \frac{1}{2} \)であるため、
\( \div 2 \)という「わり算」は、
\( \times \frac{1}{2} \)という「かけ算」にかきかえられます!
例題1の場合、符号を無視してかけ算をすると、
\( 2 \times \frac{1}{2} = 1\)となります!
「かけ算を行っている数」の符号をみて、「かけ算のルール」を使い、
答えの符号を決定します。
例題1の場合、(マイナス)×(プラス)のかけ算であるため、
答えの符号は、マイナスになります。
よって、答えは、ー1となります!
要するに、
わり算をかけ算にかきかえて、
かけ算のルールを使って、答えの符号を決めてしまえば、
あとは、ただのかけ算を計算すればよい
ということになります!
【例題2】正負の数のわり算(マイナスとマイナス)
\( (-2) \div (-\frac{1}{2}) \)
以下のように、例題2も、例題1と同じように計算できます!
例題1との違いは、2つあります。
まず1つ目の違いは、(マイナス)×(マイナス)の計算であるため、
答えの符号が、プラスとなることです。
しかし、冒頭で紹介した「かけ算のルール」を覚えてしまえば、一瞬で計算ができてしまうため、問題はないと思います!
次に2つ目の違いは、「わる数」が分数であることです。
ただ、このことも、「わり算は、逆数を使ってかけ算にかきなおす」というルールを使えば、問題なく計算できると思います!
具体的に、例題2を計算する手順は、次のようになります!
「わり算」を「かけ算」にかきかえる
例題2の場合、「わる数」である\( -\frac{1}{2} \)の逆数は、\( -2 \)であるため、
\( \div (-\frac{1}{2}) \)という「わり算」は、
\( \times (-2) \)という「かけ算」にかきかえられます!
例題2の場合、符号を無視してかけ算をすると、
\( 2 \times 2 = 4 \)となります!
「かけ算を行っている数」の符号をみて、「かけ算のルール」を使い、
答えの符号を決定します。
例題2の場合、(マイナス)×(マイナス)のかけ算であるため、
答えの符号は、プラスになります。
よって、答えは、+4となります!
あれ、でも、例題2のように、「わる数」が負の数だと、
わり算を分数のかけ算に書きなおしたときに、
分母にマイナス符号が付くのではないでしょうか?
分数の分子や分母に、マイナス符号がついていたらどうすればよいのでしょうか?
なるほど、つまり、
\[ \frac{-1}{2}, \,\, \frac{1}{-2},\,\, \frac{-1}{-2}\]
のようなときに「分数全体の符号がどうなるのか」ということですね?
では、次の節で、
「分数の分子や分母に、マイナス符号がついたとき、分数全体の符号はどうなるのか」
について解説していきます!
「分母」や「分子」にマイナス符号が付いたら、
「分数全体の符号」はどうしたらいい?
結論からいってしまうと、
- 分子と分母の片方に、マイナス符号が付いているとき、
分数全体としてはマイナス符号がつく
例. \( \frac{-1}{2}=-\frac{1}{2},\,\,\, \frac{1}{-2}=-\frac{1}{2}\) - 分子と分母の両方に、マイナス符号が付いているとき、
分数全体としてはプラス符号がつく
例. \( \frac{-1}{-2}=+\frac{1}{2}\)
というのが答えです!
イメージとしては、
(プラス)×(マイナス)=(プラス)、(マイナス)×(マイナス)=(プラス)
という、冒頭でご紹介した「かけ算のルール」と同じです。
つまり、
- 片方がマイナスで、もう片方がプラスなら、全体はマイナス
- 両方マイナスなら、全体はプラス
というイメージになります。
なるほど、「分数全体の符号がどう決まるのか」についてはわかりました!
ただ、なぜ、そのように符号が決まるのでしょうか?
やはり、気になりますよね、、
実は、分数の「分子と分母の両方に同じ数をかけても、もとの数は変わらない」
という性質を使って、分子と分母の両方に負の数をかけると、
簡単に理解することができます!
小学校の復習となりますが、分数には、
「分子」と「分母」の両方に同じ数をかけても、もとの数は変わらない
という性質がありましたよね。
例えば、\( \frac{1}{2} \)という分数の「分子」と「分母」の両方に、2をかけると、
\[ \frac{1\times 2}{2 \times 2} = \frac{2}{4} = \frac{1}{2}\]
となって、結局、もとの数である\( \frac{1}{2} \)のままになります。
こうなる理由は、
「分母と分子に同じ数をかけること」は、
約分すると、結局「1をかけること」と同じ
例. \[ \frac{1\times 2}{2 \times 2} =\frac{1}{2} \times \frac{2}{2} = \frac{1}{2} \times 1 = \frac{1}{2}\]
だからでしたね。
この性質を使うと、分子と分母の両方にー1をかけて、「かけ算のルール」を使うことで、
\[ \frac{1}{-2} = \frac{1 \times (-1)}{(-2) \times (-1)} = \frac{-1}{2} = -\frac{1}{2}\]
\[ \frac{-1}{-2} = \frac{(-1) \times (-1)}{(-2) \times (-1)} = \frac{+1}{+2} = +\frac{1}{2}\]
となることがわかります!
【復習】分数の分子・分母とは?
分子と分母というのは、次の図のように決まっています。
上の図のように、分数の上に乗っかっているのが「分子」、
分数の下で支えているのが「分母」です。
これは図のように、
お母さんである「分母」が、
子どもである「分子」を支えている
というイメージをもつと、覚えやすいと思います!
まとめ|「わり算」は、「かけ算」とみなそう
この記事では、
- 「正負のかけ算」の計算ルール
- わり算は、逆数を使ってかけ算にかきかえれば、
かけ算の計算ルールをつかって計算できること
について解説しました。
ここで、「わり算」を、「かけ算」にかきかえる理由は、
計算をする際に、シンプルに考えたいから
でしたね。
「わり算」を、全て「かけ算」にかきかえてしまうことで、
「わり算のときは、符号ってどうなるんだっけ?」
ということを悩まずに、
「かけ算の計算ルール」のみを使って、わり算の答えを求めることができます!
実際に、これから先(高校、大学)では、わり算(÷)というのは、ほぼ使いません!
というのも、2÷2÷2のように、「わり算」が連続して並ぶと、
どれが「わる数」で、どれが「わられる数」なのかが、よく分からないため、
どのような計算をしているのかが、直感的にわかりにくくなるからです。
一方、「わり算」を「かけ算」にかき直すと、
\( 2 \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{2}\)のように、やるべき計算が明確になります!
これから先の学習のためにも、「わり算はかけ算になおす」ということを、
意識していくとよいかもしれません!
「わり算」は、なるべく「かけ算」にかきなおすことで、
数式を直感的にわかりやすくできる!
今回のお話をとおして、
2つの正負の数を使って「かけ算」をしたときに、答えの符号がどうなるかは理解できました!
ただ、「3つ以上の数を使ったかけ算」のときは、答えの符号ってどうなるんでしょうか?
それについては、次の記事で解説していきます!
先に言ってしまうと、
3つ以上の数のかけ算は、「交換法則」や「結合法則」というものを使うことで、かんたんに計算できます!
言葉は難しそうですが、中身は大したことないので、
ぜひお気軽にご覧ください!
参考文献
この記事を書くにあたっては、以下の書籍も参考にしています。
学校で習う順序とはまったく違うアプローチで、
「本質をおさえて、中学数学を最速で理解する」ことをコンセプトにした本であるため、
「あまり時間はないけど、中学数学の要点だけ抑えて、学び直したい!」
という学生や社会人の方に、非常におすすめです!
正直に言ってしまうと、このブログを見なくても、
この本さえ読めば、中学数学の本質は理解できます、、
ただ、「詳しさ」という意味では、本ブログに分があると思うので、
必要に応じて、参考にしていただけると嬉しいです。
動画をつかった学習
また、ブログや書籍だけでなく、動画をつかった学習もオススメです!
その理由は、次の通りです!
- 「目」と「耳」を使って学習ができるため、定着しやすいから
- 勉強のペースメーカーとなってくれるから
- 「ながら勉強」ができるから
動画をつかった学習の中でもオススメは、「スタディサプリ」です。
筆者も学生時代に使っていましたが、月額2,178円で利用できるため、
塾と比較すると、とても経済的です!
14日間は無料で利用できるため、気になる方は試してみるといいかもしれません。↓